平々毎々(アーカイブ)

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なぜ、Excelが濫用されるのか?

Excelで仕様書を書くな」「せめてWord使え」など言われることも多い。が、本当にWordで代替できるか?
Excelで仕様書を書く人たちが欲しいのは、ワードプロセッサではなく、帳票ソフトウェアじゃないのか?という仮説を唱えてみる。

  • 紙ベース。ページ指向。
  • WYSIWYGなテンプレートレイアウト機能。
  • もちろん、方眼紙&罫線指向のレイアウトも簡単。
  • 好きなところにオブジェクトを置ける。
  • 好きなところにオブジェクトを移動できる。
  • いろいろ編集してもレイアウトが大きく崩れない。局所的なレイアウトの崩れもすぐリカバリーできる。
  • テンプレートにデータ部分(通し番号だったり文章だったり図表だったり)を記入することで1ページ完成。
  • 記入内容が長くなった場合は2ページに分けるが、テンプレートは同じでないといけない。

というわけで、あのぐらい自由なレイアウトができるか?と考えると、Wordではダメなことがわかる。Wordのヘッダ・フッタと段組とインデントで自由な(グリッド的というか、方眼紙的というか)レイアウトをするのは無理だし、表と罫線は使いづらい(そもそもhtmlのtableと同じで、レイアウトの機能ではないしね)。レイアウトだけ考えればWordよりはDTPソフトの方が自由度が高いよね。

でも、Excel仕様書はやっぱりうんこだ。レイアウトしてデータを流し込んで、まではまだいいのだが、テキストの再利用性がすっごく悪くなる。セル結合を駆使するのでコピーペーストができたりできなかったりするし、文の途中で改行するかわりに次の行のセルにテキストを置いたりするんで検索できなくなったりするし、そもそも検索・置換がいけてなかったり。印刷してみると文字が切れてるのも困るし、何より嫌なのが、何十枚にもなったシート。もう本当にぞっとする。

なので、Excel的な使い勝手でレイアウトできるが、Excel仕様書の嫌なところが全部解消されるようなソフトウェアがあったらいいなーと夢想する。最初にも書いたが、それはワープロでもスプレッドシートでもなく、帳票ソフトウェアという形になるのだろうと思う。有償だと広まらなくて、Excel仕様書が生き残ってしまうから、無料とかFOSSとかで。上に書いたような要求が満たせれば、それなりに使われるんじゃないかと思うがいかがか。