平々毎々(アーカイブ)

はてなダイアリーのアーカイブです。

.NET Reflector v7は有料だけどv6.8は無料で使い続けられるようにするよ

Why we reversed some of our Reflector decision

なんだか広まってないようだから日本語訳するよ。

なぜ我々はReflectorについての決定を一部撤回したか

Neil Davidson, 2011年4月26日


Red Gateが2月2日に発表した内容は、.NET Reflectorの次期バージョンには課金する予定だということだった。さらに、現在のバージョンはいずれ期限切れになるだろうとも発表した(そもそも.NET Reflectorの過去のバージョンはどれも期限切れになってきたのだが)。だから、もしReflectorを使い続けたければ、少額のお金(35ドル)を払わなければならないだろう。

今日、私たちはこの決定の一部を撤回することを発表した。 .NET Reflector 7.xに課金することは変わらないが、Reflectorの現在のユーザーは恒久的に無料で使い続けられるReflector 6.8をダウンロードすることもできる。

このブログ記事は、公式発表について少しだけ前後関係を説明するものだ。

商業的な決定

Red Gateは営利企業だ。人々が好むソフトウェアを開発し、その人々に対してソフトウェアの代金を払ってほしいと頼むことで、私たちはお金を稼いでいる。それから私たちはそのお金を受け取り、現在の製品に再投資し、新製品を開発している。

私たちがLutz RoederからReflectorを買いとったのは、Reflectorユーザーと私たち、両方のためになる方向へもっていくことができると信じていたからだ。私たちの製品群はReflectorの輝きの恩恵を受け、有料のプロフェッショナル版をリリースすることができ、人々はアップグレードできると考えていたのだ。

私たちは間違っていた。

Reflectorの輝きなんてなかった。充分な証拠が出てくるまでデータをずっと分析していたが、結局、Reflectorのユーザーが非ユーザーよりも私たちの製品を買ってくれるという証拠などどこにもなかった。身振り手振りによるハロー効果を狙ったかどうか、あるいは真摯に説得したかどうかにかかわらずだ。実のところ、多くの人はRed GateとReflectorとの関連性に全く気づいていなかったのだ。

Reflectorを生かし続けること

そして私たちは厳しい決定に直面することになった。私たちがReflectorでお金を稼ぐ方法を見つけ出し、継続的な開発と成功を確実なものにすることができるのか、それとも、Reflectorをあきらめてしまい、弱らせて殺してしまうことになるかだ。

すでに示したように、フリーミアム・モデル――人々が支払うかどうかの選択権を持っているモデル――はうまくいかない。私たちは他の選択肢も検討した。広告による収入(数字があまりに少なかった)、自己申告制(フリーミアムの変種でしかない)、オープンソース化(いろいろな理由によって興味がもてない)。結局、Reflectorの代金を払い、それを生かしておけるよう人々に頼むことを選択した。もし払わなければ、現状は変わらず、Reflectorが死ぬのを見ることになると。

私たちは、Reflectorを生き延びさせるためにReflectorの代金を払うよう人々に頼むことが、結局のところより良い選択だと感じた――私たちのためにも、現在および将来のReflectorユーザーのためにも。これが上手く行くための唯一の方法は、すべてのReflectorユーザーに支払いを頼むことだと私たちは考えていた。もし新規ユーザーだけに支払わせるとか、あるいは古いバージョンを無料で使うという選択肢を与えるといったことをすれば、大勢は変わらないだろうと私たちは分析していた。そうなれば私たちは、Reflectorに投資し続けることを正当化するだけのお金を稼ぐことができない。そして両方の世界とも最悪の結果に終わるだろう。人々は、Reflectorに課金するという私たちの決定にいらいらし、私たちは、ツールに投資し続けるという野心に充てる収入を得ることができない。

予期されていた反応

私たちは、この決定をする前に一生懸命に考えた。この決定を発表する前に多くの人々と徹底的に話し合ったし、受け取ったフィードバックに基づいて説明の仕方を洗練させた。試行的な発表で見た反応によって、多くの人々が動揺しているということは分かっていた。私たちは、人々が私たちの母を侮辱し罵ることの覚悟ができていた。私たちは失望しなかった。

http://www.reflector.net/blog/wp-content/uploads/2011/04/GREEDYLAIRS3.png

(訳注:「ひとこと言わせてもらいたくて登録した。この守銭奴の嘘つきめ。」)

また、もしきちんと話をすることさえできれば、大部分の人々は私たちの決定の理由について同意しないとしても少なくとも理解はしてくれるだろうということも分かっていた。

私たちは、人々が最初は瞬間的に感情的な反応をすることを分かっていた。また、最初の感情的な決めつけの後は論理的思考が効き始め、人々は落ち着き、彼らの愛する道具に対してまともな食事よりも安い金額を払ってくれと頼むことは、実はそこまで邪悪なことではないのだと気づくだろうと思っていた。『営利企業がソフトウェアの代金を請求することに決める』という見出しについて、どのぐらいの期間やきもきし続けられるものだろうか?以上のことは、メッセージを試行的に発表するというテストの実際の結果である。

感情的な立場と現実的な立場

それでは、ものごとは概ね私たちが考えた通りになったにもかかわらず、なぜ私たちは決定の一部を撤回したのだろうか?なぜ私たちは現在のユーザに対し、時限爆弾のない、恒久的に無料なReflectorを提供しようとしているのか?

理由はいくつかある。感情的なものが1点と、現実的なものが2点。

1つ目の現実的な理由は、『これは、私たちが長い間一生懸命に考えた、複雑で微妙な決定です』という物語は、『Red Gateは、酷いことをやらかした邪悪な会社です』という単純な物語ほどキャッチーではないということだ。単純に、私たちは人々に後者を信じてほしくない。

感情的な理由は、私たちが――私自身も――どのように感じるかということだ。怒りのツイートや中傷は楽しいものではなかったが、誇張された中傷を無視することは実はかなり簡単なのだ。そのような反応は明らかに、私たちのすることを何も受け入れる気がない人による、子供じみていて感情的すぎる反応だからだ。

しかし、もっと大変なことは、多くはサイレント・マジョリティからの思慮深い失望の電子メールに対処しなければならないことだ。議論を理解できる人からの電子メールを無視するのを正当化することは難しい。そのような人々は、私たちがなぜそうしたのかを理解できるし、あからさまに邪悪なケースではないということをわかってくれるのだが、それにもかかわらず、結局のところ、私たちのしたことはちょっとだけ不愉快だと感じているのだ。

私たちは、人々が望んでいないことを押し付けようとしたとは考えていない。もしReflectorに支払いたくないのなら、Reflectorを使わないという選択肢もあっただろうからだ。しかしほとんどの場合、人々はそのようには感じなかった。私が信頼する人々でさえ、私たちが卑怯なことをしたと感じているのを知って、気まずかった。

2つ目の現実的な理由は、今は前よりも多くのデータを持っているということである。WebサイトからReflectorの無料版を削除する以前は、そのダウンロード総数がいくつで、Reflectorを使わなかったりWarezサイトから割れ物を落としたりせずにReflectorに支払ってくれる人がどのぐらいいるのかについては、私たちは推量するしかできなかった。

それらの数値データを持っている今は、現在のユーザーは望めば無料版を使い続けることができるというモデルでも経済的に成り立つと私たちは信じている。少なくともユーザーの一部に対し、新しいバージョンを買ってくれるように説得することができると信じている。そして、新しいバージョンを実現するために投資を続けていけることを信じている。新規ユーザーはReflectorの代金を支払わなければならなくなるだろう。

純化された物語の向こう側

さて、私たちは今どこにいるのだろうか?私たちのふるまいを邪悪な会社の向こうみずな行為と表現した解説者もいた。真実がもっと微妙なものであることを説明できたのであればいいのだが。確かに、私たちが邪悪であるという単純化された物語を信じ続ける人たちもいることだろう。しかし、.Netコミュニティの思慮深い人たちには分かっていただけるだろう。私たちは誤りを犯しがちで不完全であるけれども、私たちが本当に困難な状況に取り組み、ReflectorユーザーとRed Gateの両方のためになる解決策を見つけ出そうと最善を尽くしているのだということを。

Neil Davidson

Co-CEO, Red Gate Software

既存のユーザーに関する詳細はこちら。

最新の.NET Reflectorニュースをいち早く入手するには、Twitter@dotnetreflector をフォローすること。